【高血圧の方必見】降圧剤を飲み続けるとED(勃起障害)になりやすい!

【高血圧の方必見】降圧剤を飲み続けるとED(勃起障害)になりやすい!

降圧剤は血圧を下げる薬で、医師は高血圧の患者さんに処方します。
高血圧はED(勃起不全症)の原因になるので、降圧剤を飲んで高血圧を治すことは、勃起にもよいことと考えられます。
ところが、降圧剤を飲むとEDになりやすくなることがあります。

●高血圧→降圧剤を飲む→勃起によい(EDが改善する)
●高血圧→降圧剤を飲む→勃起に悪い(EDになりやすくなる)

なぜこのような真逆の現象が起きるのか、そのメカニズムを解説します。
また、高血圧を治したいが、勃起を維持したい人はどうしたらよいのでしょうか。
解決策と、その解決策を実行するときの注意点も紹介します。

降圧剤は薬剤性EDを起こす

降圧剤は薬剤性EDを起こす

ここでは、「勃起、ED、高血圧、降圧剤」について、エビデンス(医学的根拠)がしっかりしている解説だけを紹介します。
公益財団法人日本医療機能評価機構の公式サイトに「EDのリスクファクター」という解説記事が掲載されています。
ここに、次のように書かれてあります。

“新規ED患者の25% が薬剤性EDという報告もある。高血圧自体もEDのリスクファクターであるが、降圧剤も薬剤性EDを起こすことがよく知られている。”

短い文章ですが、専門用語が含まれているので丁寧にみていきましょう。

まず薬剤性EDですが、これは薬を飲むことによって起きるEDのことで、体の機能が低下して起きる器質性EDや、ストレスが増えて起きる心因性EDと区別されます。
そして、器質性EDは体調が回復したら治り、心因性EDはストレスが取り除かれたら治るように、薬剤性EDはEDを引き起こしている薬の服用をやめると治ります。

そして薬剤性EDは、新規ED患者さん全体の25%を占めます。25%ということは、新規ED患者さんの4人に1人は、病気のためにやむなく薬を飲み、そのせいでEDになって苦しんでいる、ということです。

薬剤性EDを引き起こす薬はいくつかありますが、降圧剤もその1つです。高血圧のためにやむなく降圧剤を飲み、そのせいでEDになって苦しんでいる人が多くいることがわかります。
さらに「高血圧自体もEDのリスクファクターである」とあるので、降圧剤と関係なく高血圧によってEDが起きることがわかります。
高血圧は体の機能の異常なので、高血圧が原因のEDは器質性EDになります。

以上のことから「勃起、ED、高血圧、降圧剤」に関するエビデンスがある結論は次のようになります。

●高血圧は器質性EDを引き起こすことがある
●高血圧を治す降圧剤は薬剤性EDを引き起こすことがある
●薬剤性EDで悩む人は、ED患者さんの4人に1人にもなる

器質性EDは、降圧剤によって高血圧が解消すれば治りますが、降圧剤によって引き続き薬剤性EDを引き起こすことがあるわけです。これが真逆現象を引き起こしています。

それでは次に、「勃起とED」と「高血圧と降圧剤」について詳しくみていきます。

高血圧と降圧剤

高血圧と降圧剤
「勃起とED」と「高血圧と降圧剤」の関係を理解するために、高血圧と降圧剤について知っておきましょう。

血圧が高くなると、さまざまな深刻な病気を発症しやすくなります。心筋梗塞や脳梗塞といった、死に直結したり重い後遺症が残ったりする病気も、高血圧から始まることがあります。
そのため、高血圧と診断されたら降圧剤を飲んで血圧を抑えるのは、とても単純な治療法に思えます。

しかし実際はもっと複雑な理屈があります。

高血圧は始まると止まらない

血圧が高くなると血管が傷つきます。高血圧によって血管は、硬くなったり、粥状(じゅくじょう)という状態になったります。
粥状とは、血管の内側表面に、お粥(おかゆ)のようなジュクジュクしたものが溜まる状態のことです。

血管が硬くなると、血液が勢いよく流れるようになって血圧が上がります。硬い金属の水道管のほうが、柔らかいホースより勢いよく水を流すのと同じことが起きます。
また、粥状が起きた場所は血管の穴が狭くなっているので、やはり血液は勢いよく流れます。ホースの先をつまむと水の吹き出しが強くなるのと同じです。

このように高血圧は
「血圧が上がる→血管を傷つける→さらに血圧

脳梗塞も心筋梗塞も、血圧が高くなると右肩上がりの直線に沿って増えていくことがわかっています。

病気の負のスパイラルには次の2つの特徴があります。

●負のスパイラルの初期に治療したほうが治りやすい
●負のスパイラルが進んでしまうと治療効果が薄れる

血圧の病気だけでなく、がんでも歯の病気でも早期治療が叫ばれているのは、負のスパイラルが起きる前や、または、負のスパイラルが始まったばかりのほうが、治療効果が高いからです。
そして、負のスパイラルが進み切ってしまうと、もはや医学ではどうしようもない状態に陥ります。

健康診断で血圧の値に黄色信号が出たら、循環器内科のクリニックにかかって降圧剤を使った治療に取り組むのは、理にかなっているわけです。
そのエビデンスを次に紹介します。

降圧剤による治療は「放置するよりはるかによい」

高血圧の初期の治療を開始することは、放置するよりはるかによいことが、医学的に証明されています。
この説明を聞くと「治療したほうが、治療しないよりよいのは当たり前ではないのか」と思うかもしれませんが、そうではありません。

原因不明で治療法がない病気は少なくありません。また、これをやれば治ることもあるが、治らないこともある、という治療法もあります。
このような質の悪い病気と比べると、高血圧の初期は、降圧剤で「はるかによい」状態を生み出せるので、よりましな病気と考えることができます。

中年の高血圧の人が降圧剤などを使って治療に取り組めば、脳卒中の発症は40%減り、心筋梗塞の発症は20%減り、死亡確率は13%減ります。
これほど明確によい数字が出る治療は、そうはありません。
ただし「初期ならば」です。

なぜ降圧剤がEDを引き起こすのか

ここまで「高血圧と降圧剤」についてみてきました。
ここからは「勃起とED」と「高血圧と降圧剤」の関係をみていきます。

降圧剤によるEDリスクの実態

このような事例が報告されています。

60代の男性が、家庭の血圧計で計測したところ150mmHgを超えたので、循環器内科を受診しました。医師は高血圧と診断し、男性に降圧剤を処方しました。
男性が降圧剤を2週間飲み続けたところ、血圧は順調に130mmHgまで下がりましたが、しばらくすると勃起しなくなりました。降圧剤を飲むまでは、勃起していました。
男性が循環器内科の医師に相談したところ、「勃起しなくなったのは降圧剤のせいでしょう」と言われました。

典型的な薬剤性EDといえます。

EDが発症しても、降圧剤は毎日飲み続けなければなりません。降圧剤で血圧を抑えているので、降圧剤を飲まなくなると血圧がまた上がってしまうからです。
海外の研究では、降圧剤を飲むと、飲まない人より2倍程度EDになりやすくなることがわかっています。

また、降圧剤には、利尿剤やカルシウム拮抗薬などの種類がありますが、1種類の降圧剤を飲んでいる人のED発症率が36%だったのに対し、2種類以上の降圧剤を飲んでいる人のED発症率は47%でした。

降圧剤がEDリスクを有することは明白です。
ではなぜ降圧剤はEDを引き起こすのでしょうか。

血液が減って勃起しにくくなる

勃起は、ペニスの海綿体という器官に血液が大量に流れ込み、なおかつ、海綿体から血液が流れ出ないことで成立します。水風船に水をパンパンに詰めた状態が勃起です。

利尿剤タイプの降圧剤は、体内の水分を体外に排出することで血圧を下げようとします。ホースに流す水の量を減らせば水圧が減るのと同じです。

ところが、血液の50%は水なので、利尿剤タイプの降圧剤で体内の水分を減らすと血液も減ってしまいます。血液を減らすことで血圧を下げるのが、利尿剤を使う理由になります。
血液は勃起を成立させる重要ツールなので、それが減ると勃起しにくくなります。

これが、利尿剤タイプの降圧剤がEDを引き起こすメカニズムです。

高血圧治療か勃起回復かと問われたら、悩まず前者

降圧剤を飲むとEDになり、降圧剤を飲むのをやめると勃起が回復する場合、セックスを渇望する高血圧の人は「高血圧治療か勃起回復か」の選択を迫られることになります。

しかし必ず高血圧治療を優先することを、強くおすすめします。
なぜなら、高血圧治療の中断は、命に関わるからです。

ところが、勃起回復の望みを捨てて、高血圧治療に専念することは簡単なことではないはずです。
高血圧の初期は無症状のことがあります。一方で、EDを発症すると、勃起しないという明確な負の現象が現れます。
降圧剤を中断しても血圧の変化は体感できないのに、降圧剤を中断すれば勃起回復という嬉しい結果が待っているので、セックスを渇望する人が誘惑に打ち克つのは簡単ではありません。

そこで次善の策を提案します。
その方法を使えば「高血圧治療か勃起回復か」問題を解決できるかもしれません。

血圧を下げつつ勃起を回復させたい「どうすればよいのか」

血圧を下げつつ勃起を回復させる方法
血圧を下げつつ勃起を回復させることは簡単ではありませんが、道はあります。

ACE阻害薬タイプの降圧剤を使う

最初に紹介する解決策は、高血圧の治療を担当している医師の理解が必要になりますが、ACE阻害薬タイプの降圧剤を使う方法です。
ACE阻害薬は、血圧を上げるアンジオテンシン2という物質の分泌を抑える作用があります。
利尿剤は血液量を減らしてしまいますが、ACE阻害薬にはそのような作用がありません。
そのためACE阻害薬は、海綿体に流入する血液量に影響を与えずに済みます。

「それなら最初からタイプの降圧剤ではなく、ACE阻害薬タイプの降圧剤を使えばよいのではないか」と思うかもしれませんが、高血圧治療の観点からすると、利尿剤のほうがメリットが大きい場合があるのです。

循環器内科の医師は、高血圧を治すことを最優先にして薬を選びますが、利尿剤をACE阻害薬に変えられることもあります。
ただ医師は、患者さんが、勃起しにくくなったことに悩んでいることを知りません。
そのため患者さんが医師に「利尿剤を飲むようになってから勃起しにくくなった」と相談する必要があります。
循環器内科の医師なら、利尿剤がEDを引き起こしやすく、ACE阻害薬がEDを引き起こしにくいことを知っているので、ACE阻害薬に変えることができるかどうか検討してくれるはずです。

食生活の改善などで薬に頼らず高血圧を治す

血圧を下げつつ勃起を回復させるもう1つの方法は、薬に頼らず高血圧を治すことです。

高血圧は偏食や運動不足など、生活習慣が悪化して発症することが多い病気です。
そのため、高血圧の初期段階であれば、降圧剤を飲みながら食生活を改善したり適度な運動に取り組んだりすれば、症状が改善することがあります。
さらにうまくいけば降圧剤を飲まなくても適正な血圧を維持できるようになるかもしれません。

薬剤性EDは原則、原因となる薬の服用をやめれば治るので、降圧剤から離脱できれば勃起の回復を期待できます。
また、生活習慣を改善してストレスが減れば、それも勃起によい効果をもたらすでしょう。

ただ、この生活習慣改善法は、患者さんの自己判断では行なわないようにしてください。
医師が降圧剤の服用をやめてよいと言っていないのに、患者さん自身の判断で服用を中断しないでください。
食生活の改善や適度な運動は、降圧剤を飲んでいても必要ですが、高血圧がある程度進んでしまっている場合、生活習慣の改善に取り組んでいても降圧剤を手放せないことがあるからです。

まとめ~勃起のために血圧の管理を

勃起、ED、高血圧、降圧剤の4つは密接に関わりあっています。
そして、高血圧が悪化すると重大な病気につながってしまうことが、4つの関係を深刻にしています。
「いつまでもセックスをし続けられる男でありたい」と思っている方は、血圧の管理を徹底してください。
そして、血圧が上がってきたら、早期に循環器内科クリニックにかかり対策を講じましょう。

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