アルギン酸ナトリウム

【美容成分】アルギン酸ナトリウムとは?成分の効果や副作用を解説

「増粘」「感触調整効果」などの目的で配合される化粧品成分「アルギン酸ナトリウム」の効果や安全性について解説します。

アルギン酸ナトリウムとは

アルギン酸ナトリウムは、増粘剤、ゲル化剤、安定剤として使われ、テクスチャー(材質感、肌触りなど)や使い勝手を改善するのに役立ちます。
アルギン酸ナトリウムは食品に添加されることも多く、人工イクラの「ねっとり感」やアイスクリームの「なめらかさ」を生み出しています。
食品に使われているくらいので、安全性が高い成分であるといえます。

一般的な美容成分と異なり、アルギン酸ナトリウムを肌につけたり飲んだりしても、保湿効果や抗酸化作用や美白効果が生まれるわけではありません。
アルギン酸ナトリウムの役目は、「改善する」のではなく「改善を助ける」ことです。他の美容成分の効果を際立たせる、縁の下の力持ちのような存在です。

アルギン酸ナトリウムのつくり方

アルギン酸ナトリウムは、アルギン酸とナトリウムを混ぜた物質です。

アルギン酸は褐藻類という海藻の細胞膜の成分です。コンブやワカメも褐藻類です。
褐藻類の体の30~60%はアルギン酸でできています。
海藻は海のなかでユラユラしていますが、このしなやかさがあるので海が時化(しけ)ても、台風がきても衝撃を「いなす」ことができます。
アルギン酸は海藻のしなやかさを生んでいます。

ナトリウムは塩のことです。
アルギン酸ナトリウムは、アルギン酸のカルボキシル基とナトリウムのNaイオンが結合しています。

加工が容易で粘り気を生み、中性

アルギン酸ナトリウムが化粧品メーカーや加工食品メーカーに重宝されるのは、冷水でも温水でもよく溶けるので加工が容易で、水溶液に粘り気を与えることができるからです。
さらに、アルギン酸ナトリウムは、酸性でもアルカリ性でもない中性塩なので、他の成分を邪魔しないという特性があります。これも重宝される理由の1つになっています。

アルギン酸ナトリウムの効果

アルギン酸ナトリウムを化粧品に混ぜると、次のような効果を生みます。

  • 増粘剤としての効果
  • ゲル化剤としての効果
  • 安定剤としての効果

1つずつみていきましょう。

増粘剤としての効果

増粘剤とは水溶液に粘度をつける添加物のことです。
水はサラサラして、水あめはドロドロしています。この感触の違いは粘度の違いで、ドロドロするほど粘度の数値が高くなります。

粘度を調整すると、いろいろな良いことが起きます。
例えば、水は物体の表面に付着してもすぐにこぼれ落ちてしまいますが、水あめならしばらくは付着します。
逆に、水あめを広い面積に伸ばすことは大変ですが、水なら簡単に広がります。

化粧品は種類によって、有効成分を一部分の狭い範囲にだけ集中させたいときと、肌全体に行き渡らせたいときがあります。
また、肌全体に有効成分を広げたいときでも、薄く塗りたいときと、濃くしっかり塗りたいときにわかれます。
アルギン酸ナトリウムを化粧品に配合すると粘度を調節できるので、化粧品の特性を自由に変えることができます。
そのことが結果的に、化粧品に含まれる美容成分の性能を存分に引き出すことにつながります。

ゲル化剤としての効果

ゲル化は聞きなれない言葉かもしれません。また、ゲル化と高粘度の違いはわかりにくいかもしれません。
代表的なゲル化製品はゼリーです。

ゲル化した製品は、水あめのようにプルプルしていますが、水あめのようには流れ出しません。ゲル化製品は、形をある程度保つ性質があります。

ポイントは「ある程度」です。鉄や木のように「しっかりと」形を保つわけではないので、ゲル化製品は壊れやすいのですが、その分、鉄や木にはない柔軟性があります。

ゲル化は、水溶液の粘度が上昇しきったあとに生じます。そのため、プルプルしているのに形を持ち、さらに水分を多く含むことができます。ゲル化と高粘度が似ているのはこのためです。

ゲル化剤には、ゼラチンや寒天、カラギーナンなどもありますが、これらは熱に弱い欠点があります。
しかしアルギン酸ナトリウムは加熱しても溶けにくい性質があります。
化粧品を製造するときに加熱する場合、性質が変わりにくいアルギン酸ナトリウムはとても便利です。

安定剤としての効果

物質の性質は、空気中の酸素に触れたり、熱が加わったり、熱が奪われたり、紫外線を浴びたり、時間が経過したりすると変化してしまいます。
そのため、製造してから日にちが経過した化粧品は、狙い通りの性能を発揮できないことがあります。
そこで活躍するのが安定剤という添加物で、これによって化粧品の劣化を防ぐことができます。

アルギン酸ナトリウムは「ヒートショック」に強い安定剤として、化粧品メーカーや食品メーカーに人気です。
ヒートショックとは、一度温度が上がったり下がったりしてしまうと、そのあとで元の温度に戻っても物質の性質が戻らない状態のことをいいます。
アイスクリームを一度ドロドロに溶かしてしまうと、そのあとで再冷凍しても元の滑らかさは戻りません。アイスクリームは、ヒートショックに弱い製品であるといえます。

アルギン酸ナトリウムを化粧品のなかに入れるとヒートショックが起きにくくなるので、工場で完成したばかりの化粧品の性能が、消費者の手元に届いたときも維持できるようになります。

アルギン酸ナトリウムの副作用

アルギン酸ナトリウムを使った化粧品には、副作用はほとんどないといえます。
皮膚への刺激も、眼球への刺激も、アレルギーの要素もほとんどないとされています。
この害の少なさも、アルギン酸ナトリウムの人気を支えています。

アルギン酸ナトリウムが含まれている化粧品

アルギン酸ナトリウムが含まれる化粧品やケア製品には、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、洗顔料、洗顔石鹸、シート製品、マスク製品などがあります。
アルギン酸ナトリウムは、化粧品やケア製品を使うすべての世代の人にマッチしている成分といえます。それはアルギン酸ナトリウムが他の美容成分の邪魔をしないからです。

アルギン酸ナトリウムが含まれている化粧品の選び方

現在使っている化粧品やスキンケア製品の使い心地に違和感があれば、アルギン酸ナトリウムが入っている商品に変えてみてはいかがでしょうか。
化粧品を肌につけたときの伸びや、ベトつき感や、しっとり感や、サラサラ感は、少し変わるだけで印象がガラリと変わります。

また、使用している化粧品にすでにアルギン酸ナトリウムが含まれていても、別のメーカーのアルギン酸ナトリウム入りの化粧品を試してみる価値があります。
アルギン酸ナトリウムの配合方法はメーカー各社で異なるので、同じ種類の化粧品でも使い心地が大きく異なる場合があります。

まとめ

化粧品にはさまざまな美容成分があり、その機能も、保湿、ハリとツヤの回復、シワ消し、美白、抗酸化、老化防止、抗紫外線、血行促進とさまざまです。
美容成分のよし悪しは化粧品の品質を大きく左右しますが、同じ美容成分を同量配合していても、よい化粧品と合わない化粧品があります。
なぜこのような現象が起きるのかというと、美容成分は、有効に働くことができる環境でないと力を発揮できないからです。
アルギン酸ナトリウムは、美容成分を有効にするための環境をつくります。

アルギン酸ナトリウムはさらに、化粧品の第一印象にとって重要な役割を果たしています。
アルギン酸ナトリウムが生む化粧品の肌感覚は、つけた瞬間にわかります。美容成分の効果は、一定期間使ってみないと実感できません。
アルギン酸ナトリウムは、主役以上に活躍する脇役といえます。

関連タグ:
#増粘 #感触調整効果