ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)

【美容成分】ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)とは?成分の効果や副作用を解説

「抗菌効果」「保湿効果」などの目的で配合される美容成分「ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)」の効果や安全性について解説します。

ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)とは

ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)は、強い抗菌性を持つ多価アルコールの一種です。多価アルコールとは、2個以上のヒドロキシ基をもつアルコールのことで、1個の水酸基のみを持つ一価アルコールであるエタノールとは別の物質です。
多価アルコールは抗菌性を持つと共に、高い吸湿性と保水性があるため化粧品に適しているとされています。抗菌性の高いエタノールよりも抗菌性は弱めですが、肌への刺激も弱いので安心して使えます。
石油由来の酸化プロペリンにより作られた化学合成物質ではありますが、安全性が証明されているため古くから多くの化粧品で使用されています。

ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)の効果

ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)には、どのような効果が期待できるのでしょうか?
期待できる効果を紹介していきます。

抗菌効果

ペンチレングリコールは、抗菌効果がはっきりと実証されています。そのため、化粧品には主に抗菌効果を目的として配合されます。
大腸菌に関する最小発育阻止濃度検証では、同じ多価アルコールであるグリセリンが32.7に対し、ペンチレングリコールは2.7と高い抗菌効果が認められています(数字が小さいほど抗菌効果が高い)。防腐剤として有名なパラベンの0.2やフェノキシエタノールの0.5と比べると劣ってしまいますが、ペンチレングリコールには保湿性もあり皮膚への刺激が低いため、そのぶん多めに配合することを前提に考えられています。

また、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、カンジダ、コウジカビの5種を対象にした検証でも、他の多価アルコールに比べ種類全ての菌種に抗菌効果があることが認められました。バランスよく多くの菌に対し高い抗菌効果を発揮することができる、というのもペンチレングリコールが広く使用されていきた理由の一つです。

ペンチレングリコールは「医薬部外品原料規格2006」にも収載されており、厚生労働省も評価している成分です。そのため10年以上にわたって化粧品に採用されてきました。
防腐剤として効果があるパラベンもよく知られていますが、パラベンは配合量によっては皮膚疾患のある肌への刺激性もあり、パラベンの代替としてペンチレングリコールが使用されることが多くあります。

また、パラベンの代替として使用されることが多いペンチレングリコールですが、実はパラベンと同時に配合されることも多く見られます。
ペンチレングリコールはパラベンの抗菌性を増強させる効果があるため、パラベンの配合量を減らしたうえでペンチレングリコールで効果を増強させることで、少ないパラベン配合量で高い抗菌・防腐効果を保つことができるのです。

パラベンの代替でもパラベンの増強剤としてでも、どちらの使い方でもパラベンの配合量を減らすことには変わりありません。パラベンが肌に合わないという人は、ペンチレングリコールが含まれている製品を選んでみてはいかがでしょうか?
たとえその製品にパラベンが配合されていたとしても、ペンチレングリコールのおかげで配合量は少なくなっているはずです。これはどの成分にも言えることなのですが、成分自体が肌に合わないのではなく、配合量が多すぎるせいで合わなかったという可能性も高いです。

皮膚刺激性に関しては、101名の被験者を対象にしたCosmetic Ingredient Reviewの安全性試験データと、70人の被験者を対象にしたマンダムの安全性試験データ検証結果を参照することができます。どちらも皮膚刺激性なしという結果が認められています。
このように、抗菌性がありながらも刺激性の少ない成分であるため、赤ちゃん用や敏感肌用の製品にも使用されています。

保湿効果

ペンチレングリコールは、効果が極めて優れているというわけではありませんが、保湿性も持っています。
抗菌効果のある成分は一定量を配合しないと十分な効果がでないため、ある程度の量を配合する必要があるのですが、ペンチレングリコールは保湿効果も持っているので、他の成分の邪魔をすることなく保湿力にも貢献するかたちで配合することができます。
べたつきがない使用感もその特性で、さらっとした仕上がりの保湿ケアができる化粧品などに配合されますが、その場合でもグリセリンやBGなどの保湿成分と同時に配合されることがほとんどです。
保湿効果もある抗菌成分、といった認識にとどめておくべきでしょう。

ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)の副作用

ペンチレングリコールの副作用と言えるものは、顕著なものはほとんどないのですが、ごく稀に刺激反応のある場合があります。
眼刺激に関して、Cosmetic Ingredient Reviewの安全性試験データによるとウサギによる動物実験の結果わずかな眼刺激が見られたことが報告されています。
皮膚刺激に関しては、効果の項目でも触れているように、被験者による試験データによると皮膚刺激は認められなかったとされています。ただし、個別事例ではペンチレングリコールの使用後皮膚炎を発症したという事例がわずかに報告されています。
比較的安全性の高い成分ではありますが、個人の肌質や体質によっては100%副作用がないとは言えないと思っておいたほうがよいでしょう。特に敏感肌の方や皮膚疾患のある方は注意が必要です。

ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)が含まれている化粧品

ペンチレングリコールの効果について詳しく説明してきました。
ペンチレングリコールは、その高い抗菌効果から主に抗菌を目的として配合されます。刺激が少ないことから、他の抗菌・防腐成分と組み合わせたりして、様々な種類の化粧品に配合されています。
例を挙げると、化粧水、美容液、乳液、クリーム、ジェル、フェイスパック、化粧下地……UVケア商品やボディミルク、ヘアケア製品まで、基礎化粧品をメインに様々な製品に使用されています。
メイクアップ化粧品ですとマスカラや口紅に配合されていることが多い傾向にありますね。
今回はその中から、特に気になるフェイスパックとマスカラをピックアップして紹介していきます。

シートパック・マスク

個包装されていているシートタイプのフェイスパックでは、メインの抗菌剤としてペンチレングリコールが使われているものも多く見られます。
開封してすぐに使う使い切りタイプだと、大容量タイプに比べて抗菌・防腐成分の必要量も少なくなってくるため、パラベンやフェノキシエタノールよりも抗菌・防腐効果が低くて刺激も少ないペンチレングリコールだけで抗菌効果を担っていることも少なくありません。
また、大容量タイプではパラベンの抗菌性の増強を目的としてペンチレングリコールが配合されていることもあります。

マスカラ

マスカラは睫毛に付ける化粧品であるため、目に入ってしまう危険性と、睫毛に付着した雑菌により劣化が早まってしまうという問題を抱えています。
そのため、ペンチレングリコールの配合目的は、「刺激性の少ない抗菌成分」「パラベンの防腐効果の増強剤」のふたつが主になります。
劣化を抑えるために多めに配合されたパラベンの効果を更に増強するためというのは、肌に直接付ける他の化粧品にはなかなか見られない珍しい配合理由ですね。

ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)が含まれている化粧品の選び方

ペンチレングリコールは、その抗菌効果と刺激性の低さによって様々な種類の化粧品に配合されていることがわかりました。
また、パラベンの抗菌性の増強効果により、パラベンと同時に配合されることが多いというのも特徴として見られますね。
それでは、ペンチレングリコールという成分に注目した場合、先ほど紹介した化粧品はどのように選べばよいのでしょうか? 成分の効果に焦点を当てて解説していきます。
あくまで一例ですので、参考までにとどめておいてくださいね。特に肌悩みのある方や皮膚疾患のある方は注意が必要です。

シートパック・マスク

肌への浸透力が高いシートパックは特に、肌への刺激が少ないかどうかが気になりますよね。
肌に刺激の少ないものを選びたい時は、個包装になっていることがマスト。その中でもペンチレングリコールの他にパラベンやフェノキシエタノールなどの防腐剤が配合されていないものを選ぶようにしましょう。
防腐剤は少量なら肌への刺激性もなく安全に使えますが、化粧水や美容液などと違って肌への浸透力が強いパックでは気を付けたいという人も多いでしょう。パックで肌が荒れた経験のある方も要注意です。

逆に、大容量のお得な商品を選びたい時は、ペンチレングリコールの他にも防腐成分が配合されているもののほうがおすすめです。
防腐成分が多いと肌への影響がよくないと考えてしまいがちですが、直接手に触れず容器から液を垂らして取る化粧水や美容液、スパチュラで取るクリームやジェルなどと違って、容器から直接手で取るシートパックは製品に雑菌が入りやすく、劣化してしまうまでの期間が短くなりがちです。
そのため、防腐成分を多めに配合することで、肌への悪影響を引き起こしかねない商品の劣化を防いでいるのです。このように、防腐成分が多めに含まれていたほうが肌にとっては安全という場合もあります。
特に、ペンチレングリコールが配合されている製品は、パラベンの抗菌性の増強効果によって、他の防腐成分を使用するよりもパラベンを使用したほうが防腐成分の配合量が少なくなるという場合もあり、結果的にパラベン配合のほうが肌にやさしくなることもあるという例ですね。

マスカラ

ペンチレングリコールが配合されているマスカラは、刺激が少ないペンチレングリコールしか抗菌・防腐成分を配合していないものと、雑菌の繁殖を防ぐためにパラベンを多めに配合しているもののふたつにはっきりと分かれがちな傾向にあります。

目の近くに使うものだから、安全のために防腐剤が入っていないものを選びたい。
肌に付けるわけでもないし、雑菌が付着しやすい睫毛に使うものだから防腐性の高いものを選びたい。
どちらの考えも正しいと思いますし、季節や体調によっても変わることだと思います。その時の自分の好みや環境によって選ぶようにしましょう。
また、防腐剤が配合されていないものは悪くなる前に使い切るように、防腐剤が多めに配合されているものは目に入らないよう気を付けましょう。

まとめ

ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)の効果や含まれている化粧品、使用する際の注意点などを紹介してきました。
最後に、この記事のポイントを簡潔にまとめましたので、内容を振り返っていきましょう。

  • 多少の保湿効果もあるが、基本的には抗菌成分として様々な種類の製品に配合されている
  • 低刺激かつパラベンの抗菌性の増強効果があるため、パラベンの量を減らす目的に配合されることも
  • フェイスパックのような使い切りで肌に浸透しやすい製品では、抗菌成分はペンチレングリコールだけが使われることも少なくない

ペンチレングリコールは抗菌性が高く使用範囲も広いため、多くの化粧品や医薬部外品の成分表で見かけることがある名前かもしれません。
成分知識があると、化粧品選びも自信を持って行えるようになります。ぜひ美容の豆知識として参考にしてくださいね。

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